前日まで「アクアマン」を観ようと思っていましたが、
映画館に行ったら気が変わって「翔んで埼玉」を観てきました。
原作は「パタリロ!」の作者・魔夜峰央が80年代に発表した漫画。
そう言えば、当時は今よりもっと「東京バンザ~イ!」感が強くて、
「住んでるところ」や「乗ってる車」などで、
ディスったりディスられたりが盛んな時代。
タモリが考案したと言われる「ダサいたま」という言葉は、
埼玉を訪れたことの無い人にまで浸透したパワーワードでした。
「ナウい」という言葉は死滅しましたが、
対義語の「ダサい」という言葉が一般に定着したのは、
「ダサいたま」というワードのあと押しもあったと思われます。
あらすじ
埼玉県の農道を、1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、
東京に向かって走っている。 カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める――。その昔、埼玉県民は東京都民からそれはそれはひどい迫害を受けていた。 通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、 埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。
東京にある、超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、 生徒会長として君臨していた。 しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。
麗は実は隠れ埼玉県人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだったのだ。 その正体がばれて追われる身となった麗に、百美は地位も未来も投げ捨ててついていく。
2人の逃避行に立ちはだかるのは、埼玉の永遠のライバル・千葉解放戦線の一員であり、壇ノ浦家に使える執事の阿久津翔(伊勢谷友介)だった。 東京を巡る埼玉vs千葉の大抗争が群馬や神奈川、栃木、茨城も巻き込んでいくなか、伝説の埼玉県人・埼玉デューク(京本政樹)に助けられながら、 百美と麗は東京に立ち向かう。果たして埼玉の、さらには関東の、いや日本の未来はどうなるのか――!?
(C)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会 公式サイトより
主なキャスト
二階堂ふみ 壇ノ浦百美
GACKT 麻美麗
伊勢谷友介 阿久津翔
京本政樹 埼玉デューク
中尾彬 壇ノ浦建造
加藤諒 下川信男
益若つばさ おかよ
ブラザートム 菅原好海
麻生久美子 菅原真紀
島崎遥香 菅原愛海
ザッツGACKTショー
この映画はキャスティングが見事です。
GACKT無しでは「翔んで埼玉」の映画化は
成功しなかったかもしれません。
前半の学園部分は、「ザッツGACKTショー」の味わいです。
学園漫画にありがちな「トンデモ学園(中世ヨーロッパ風)」に
転校してくる耽美系イケメン。
高校生設定ですから若いイケメンが演じそうですが、
若いと説得力が無いというか、セリフが上滑りしそうです。
二階堂演じる壇ノ浦百美に不意打ちでキスをした時に、
「失礼…、ついアメリカでの習慣が…」なんてセリフ、
GACKTなら本当に言いそうな感じがします。
漫画のキャラに、GACKTのキャラが
乗っかっているからこその演出もありました。
「東京テイスティング」は東京の空気を嗅ぎ分けるゲーム(試験)。
ワインテイスティングをするように、
東京のどこの街の空気かを当てるというまさに格付けチェックでした。
とにかく、このGACKTワールドにすっとハマれると、映画がより楽しめます。
ネタ満載の映画
名前が女性っぽいので分かりにくいですが、
二階堂演じる壇ノ浦百美は男性設定です。
ですから、東京都知事の息子である二階堂が
GACKT演じる麻美に恋をして、
埼玉解放の手助けをする原動力はボーイズラブです。
監督はこのBLを利用して、
GACKTと伊勢谷友介のキスシーンもぶっこんで来ます。
妄想夢オチですが、コメディ映画だからOKという感じで。
あと、埼玉だけでなく千葉や、群馬なんかもひどいディスられ方をされたり、
その他、小ネタを含めてたくさんのネタが満載の「翔んで埼玉」。
制作陣の力がいちばん入っていたと思われるシーンが、
埼玉VS千葉のシーンじゃないでしょうか?
「YOSHIKI(XJAPAN)千葉」VS「高見沢俊彦(アルフィー)埼玉」を
始めとするフラッグ対決は、
大掛かりで大真面目にふざけたことをやるという
コメディ映画の王道を見せてもらいました。
さいごに
未完の原作を上手く膨らませて、
後半部分も面白く作られていました。
二階堂ふみに不満はありませんが、
壇ノ浦百美が本当の男性でも良かったかも?
エンペラー千葉の正体はジャガーさん。
「しらこばと」絵柄の草加せんべいは実在するんですか?
はなわの歌うエンディングテーマも良かったです。