けるんエンタメ公会堂

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【演劇】「愛のレキシアター ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ 」メチャクチャ楽しい!レキシーランド

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愛のレキシアター「 ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」を観るために
TBS赤坂ACTシアターに行ってきました。

日本の歴史をテーマにした楽曲を
リリースしているミュージシャン「レキシ」。
この公演は彼の楽曲を使用したミュージカルです。

ちなみに、アフロヘアーがトレードマークの中の人?の
池田貴史さんは、俳優としても活躍(※「99.9 刑事専門弁護士」小料理屋いとこんちの店主など)していますが、舞台には出演していません。

あらすじ 

35歳になってもニートの織田こきんは、母親・胡蝶と二人暮らし。

25年間、家から一歩も出ず、ちょっとしたことで母親にきつくあたる毎日だ。

こじれた現状を打破すべく、今日も胡蝶から依頼された

引きこもりサポートネットの明智が訪ねて来るが、

こきんはネット上で出会った理想の女性、

ネット民騒然の大人気歴女ブロガー、カオリコに夢中。

カオリコの気を引くために“ヨシツネ”というハンドルネームを使い、

カオリコ好みの偽プロフィールをでっち上げていた。

一方、こきんを心配する胡蝶と明智も、互いに複雑な思いを抱いていた。

胡蝶の別れた夫・将軍と明智には、何やら因縁があるらしい。

そんなこじれた3人の前に突如現れたのは、

夢の国レキシーランドの総支配人ウォルト・レキシーと、

くの一さん、腰元さんといった個性豊かなキャストたち。

こきんたち、そしてカオリコは、日本の歴史を楽しみながら

“愛の始まり”に辿り着く夢のテーマパーク、

レキシーランドに、いつの間にか迷い込む。

そこにはなぜか将軍と、こきんが捏造したヨシツネの姿もあった……。

 

(C)TBS「愛のレキシアター ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」公式パンフレットより

 

主なキャスト

山本耕史   織田こきん

松岡茉優   カオリコ

佐藤流司   源ヨシツネ

高田聖子   織田胡蝶

井上小百合  くノ一さん

前田悟    代役侍

浦嶋りんこ  腰元さん

山本亨    将軍

藤井隆    明智

八嶋智人   ウォルト・レキシー

 

ジュークボックス・ミュージカル

ミュージカルには「ジュークボックス・ミュージカル」
というジャンルがあります。
細かい定義は分かりませんが、
ミュージカル用に書かれた楽曲ではなく、
既存の楽曲でミュージカルを構築するということでしょうか。

「愛のレキシアター」も
「ジュークボックス・ミュージカル」であると言えます。

昔からあるジャンルだと思いますが、
アバの「マンマ・ミーア!」が大ヒットしたことにより、
プチブームになって数多くの作品が作られました。


「マンマ・ミーア!」は2008年に映画化もされ、こちらも大ヒットしました。


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「ジュークボックス・ミュージカル」には
大きく分けると2つの傾向があります。
芝居のストーリー重視で
音楽が組み入れられているモノと、
楽曲の世界観からストーリーを構築しているモノ。

前者はミュージシャンの伝記的な
ミュージカルなどでよく目にする形です。

そして、後者はそもそも楽曲同士の
関連性が無いもので世界観を作ったり、
ヒット曲を無理に組み入れたりする為、
トンデモ展開になりがちです。

その点、この「愛のレキシアター」は世界観の構築が秀逸です。

ようこそ!レキシーランドへ

レキシは「日本の歴史」のみをテーマにしているので、
世界観の構築という点では有利ですが、
歌っている「時代」は多岐にわたります。

河原氏の演出が素晴らしいのは、
レキシーランドというアミューズメントパーク設定に
したことではないでしょうか⁉

これなら、時代に関係なく様々な楽曲を使えるし、
各時代のアトラクションを巡っていると思えば、
トンデモ展開も気になりません。

こんな風に書くと、
おもしろアトラクションを楽しむだけの舞台のようですが、
それは違います。
一見、ハチャメチャに見える展開も伏線だったり、
緻密な構成で主人公を含む人々の
愛の成長ストーリーになっています。

私はレキシの楽曲について
ヒット曲プラス数曲程度の知識ですが、
曲とシーンのマッチング、
そしてそのシーンが全体の流れに
上手くハメられていると感心しました。

芸達者な人々の競演

「愛のレキシアター」を観に行って最初に思ったのは、
キャスティングが見事だということ。
そして、その面々が器用というか、
達者な人が多いなと感じました。

主役の織田こきんを演じる山本耕史さんは
器用なオールラウンダー。

映画やテレビであまり披露される機会はありませんが、
歌が上手で歌声も良い。
ダンスも踊れるし、殺陣も出来るし、
ギターも弾けるメチャクチャ器用な俳優です。 

今回は25年間引きこもっていた役なので、
猫背のへなちょこ殺陣しか見られないと思っていたら、
ナント!土方歳三も降臨しました。

八嶋智人さんは、
ストーリーテラーとして回しながらも良いツッコミだし、
ヒロインの松岡茉優さんも器用な女優だし、
藤井隆さんや高田聖子さんも…。

とにかくこういうコメディ要素たっぷりな舞台には心強い布陣でした。

また、ほとんどの皆さんが“歌うま”でした。
(※各々見せ場があります)

さいごに

レキシの楽曲を知らなくても楽しめます。
楽曲を知ってたら更に楽しめます。

アンサンブルの人々の熱気が伝わりました。
(※いろいろ転換が大変そう)

最後に稲穂が振れます。

あ~楽しかった!