けるんエンタメ公会堂

ライブ、観劇、映画、テレビなどエンタメを中心とした雑記です。

【演劇】舞台 機動戦士ガンダムOO 破壊による再生 Re:Build

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今年、TVシリーズ放送開始40周年を迎える「機動戦士ガンダム」。
それを記念して行われるプロジェクトのひとつとして
企画された舞台版のガンダム。
選ばれた演目は、ガンダム00(ダブルオー)です。

昨年、舞台化が発表されてから、めちゃくちゃ楽しみにしていました。
というのも、ファーストガンダム世代の私が、
久々に連続視聴してハマったガンダムだからです。

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東京公演の会場は日本青年館。座席数は約1250席です。
開場30分前には入場口に長蛇の列、
少し待って列が動き出した頃に入場します。

パンフレットを買う為にグッズ販売列に並びますが、
15分ほど並んだところでパンフレット売り切れのアナウンス。
他に買いたい物が無かったので、列から離脱します。
ちなみにトートバッグは、私が入場したタイミングで、既に売り切れでした。

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 今回の座席は、2階の前方列。
ステージをかなりの角度で見下ろす感じになりますが、
距離は思ったより近い感じです。

会場を見渡すと9割以上のお客さんが女性。
ま、ダブルオーはガンダムの中でも女性人気が高い作品だし、
今回の舞台も2.5次元舞台の王道って感じですからね。
個人的にはもう少し男性客が観にくるんじゃないかな?
と思っていました。

あらすじ

西暦2307年。
化石燃料の枯渇によってエネルギー危機を迎えた人類は、
それに代わる新たなエネルギー源として、宇宙空間での太陽光発電を実用化し、
軌道エレベーターを使って地上に供給するシステムを稼働させていた。
しかし、莫大な建設費がかかるこのシステムの恩恵を受けていたのは、
超大国群の『ユニオン』、『AEU』、『人類革新連盟』の三大国家群だけであった。
三大国家群は直接的な衝突こそ起こさないものの軍事開発競争による冷戦状態を継続。
一方、そこに属さない小国は貧困によって苦しめられ、紛争や内戦を繰り返していた。
そんな終わりのない戦いが続く世界に、
“武力による戦争の根絶”を掲げる私設武装組織「ソレスタルビーイング」が現れる。

彼らはモビルスーツ「ガンダム」を用い、
全ての戦争行為に対して武力介入を開始するのだった・・・。

(C)創通・サンライズ 公式チラシより

 

主なキャスト

 刹那・F・セイエイ    橋本祥平

 ロックオン・ストラトス 伊万里有

 アレルヤ・ハプティズム 鮎川太陽

 ティエリア・アーデ   永田聖一郎

 

期待感高まるオープニング!

ラルク・アン・シエルのOPテーマ「DAYBREAK'S BELL」が流れ、
ガンダム00のタイトルロゴがステージに映し出されます。
懐かしい~!やっぱりこの曲が、ダブルオーの楽曲として印象的です。

そのまま曲にのせてキャスト紹介。
舞台に合わせて、物語がコンパクトになっているとは言え、
群像劇ですからね~ガンダムは。
キャストの皆さんの立ち姿も決まっていて、期待が高まるオープニングです。

ガンダムの舞台化と聞いた時に、誰もが思ったであろうこと・・・、
即ちガンダムはどんな形で表現されるのか?
私もその点がいちばん気になっていました。

え~と・・・、言っちゃいます。「ガンダムは出ません!」

メチャクチャ楽しいガンダムごっこ!

漫画、アニメ、ゲームなどを原作とする舞台として、
一定の市民権を得た2.5次元舞台。
特徴はいろいろあると思いますが、比較的小規模~中規模劇場で行われ、
そんなに美術セットにお金が掛かっていないということが挙げられます。
だから、美術セットの造りこまれた舞台よりも、
さらに原作の記憶に基づいた想像力を駆使して観ることが必要となります。

2.5次元舞台のエポックメーキング的作品として挙げられる「弱虫ペダル」。
私は「弱虫ペダル」を観た時、ぶっ飛びました。

自転車レースの物語なのに、自転車が出てきません。
演者は自転車のハンドルだけを持って、足踏みしたり走り回ったりします。

正直、最初は「え?」と思いましたが、
私は原作コミックを読み込んでいましたので、だんだんと引き込まれました。
むしろ、観賞後はこの演出の方が、
スピード感や演者の自由度が感じられると思いました。

さて、今回の舞台のガンダム。
私はこんな想像をしていました。

演者はコックピットのようなセットにいて、
スクリーンにプロジェクションマッピングなどを使ってガンダムを投影。
戦闘シーンはそんな演出じゃないかと…。

なぜなら、自転車レースやテニス、バレーなどの試合は、
原作を知らない人でも何となく想像できますが、
ガンダムの世界観やモビルスーツの対戦は
イメージしにくいのではないか?と思っていました。

3割ぐらい当たりました。
演者はコックピットのような所に座っています。

ライブの時にアーティストが、
アリーナを練り歩くゴンドラって分かりますか?
その上に人間1人が座れる椅子を固定して、
コックピットになっています。
ガンダムマイスターたちはそこに座って、
セリフを言ったり演技をするわけです。

で、ガンダムがどう表現されているかというと、
そのコックピットごとステージ上を縦横無尽に動くんです、人力で。
ひとつのコックピットを2人一組で動かしているようです。

これが凄かった。スピード感があるんです。
動かす速さだけでなく、ターンするクイックな動きも。

だから、戦闘シーンではマイスター自らが、
ビームサーベルなどの武器を持って戦い、
その時はコックピットゴンドラ自体が、
ガンダムなどのMSに見立てられています。

対峙して戦う時は、正面からぶつかったり、
結構なスピードですれ違ったりと、
なかなかの迫力があります。

「コレ、動きの稽古がいちばん大変だったろうな…。」と思えるくらいでした。

また、高さや奥行きを出すためステージ奥の上段には、
一人で操作するコックピットが出現することもあります。

そっちの方は、「ひじ掛け付きキャスター椅子」そのまんまでした。
しかし、世界観に没頭していると、メチャクチャ楽しそうに見えます。

もし私が小学生なら絶対に学校で真似をして、
ガンダムごっこをしたであろうと断言できます。

アニメを復習してから観たい!

ガンダムを出さずに戦闘シーンを構築し、
世界観を作っている今回の舞台ですが、
やはり「初見殺し」です。
数は少ないと思いますが、友達に誘われて来た人や付き添いで来た人など、
原作アニメを知らない人は高確率で置いてけぼりです。

例えば、戦闘シーンに入る前に空から降下してくるシーンなどは
表現することができないので、
アニメのシーンを思い出して補完しながら観るという作業が必要です。

また、ダブルオーはアニメ自体も物語が複雑なので、
キャラクターたちの立ち位置や思いが、
原作を知らないと分かりにくいのではないかと思いました。

さいごに

戦闘シーン多めで、物語のテンポは良かったです。
その分、戦闘と説明以外の部分は大幅にカットされているので、
沙慈・クロスロードなどが出てくるシーンはありません。

キャラクターの再現度も高くて、セリフも原作通りのトーンで良かったです。

ロックオンが絶命するシーンは、結構あっさりめでした。

 


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