けるんエンタメ公会堂

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【演劇】ミュージカル「キューティ・ブロンド」神田沙也加の当たり役!

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神田沙也加主演のミュージカル「キューティ・ブロンド」を、
シアタークリエで見てきました。
2017年の初演はチケットが取れなかったので、今回が初見です。

クリエのエントランスロビーでは、エルの愛犬「ブルーザー」のぬいぐるみと一緒に記念写真を撮影できる壁が。
 

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あらすじ

オシャレが大好きでブロンドが印象的な女子大生エルは、学生寮デルタ・ヌウで友人達と自由に楽しく暮らしている。だがある日、婚約間近だった彼氏のワーナーに突然振られてしまう。その理由は「上院議員を目指す自分の妻としてブロンド娘はふさわしくない」という一方的な決めつけによるもの。納得がいかないエルは、一念発起して猛勉強の末にハーバード大学のロー・スクールに見事合格する。しかし、ブロンドでピンクのファッションに身を包むエルは学内で目立つ存在となり、黒髪の美女ヴィヴィアンをはじめクラスメイト達から批判を浴びてしまう。しかもワーナーはヴィヴィアンと婚約してしまったという。だが、その逆境がエルのやる気に火をつけ、一人前の弁護士を目指して奮闘を始めていく。 尊敬すべき先輩エメットやヘア&ネイリストのポーレットらと知り合い、外見も中身も磨きを掛けたエルは、大学の教授でもあるキャラハンの弁護士事務所でインターン生として働き始める。そこで担当することになったのは、デルタ・ヌウの先輩でもあるブルックに関わる裁判。果たしてエルは彼女の容疑を見事に晴らし、一人前の弁護士になることが出来るのか!?

(C)2019 Toho Co., Ltd.公式サイトより

主なキャスト

神田沙也加 エル・ウッズ

平方元基  エメット・フォレスト

植原卓也  ワーナー・ハンティントンⅢ

樹里咲穂  ポーレット

新田恵海  ヴィヴィアン・ケンジントン

木村花代  ブルック・ウインダム

長谷川初範 キャラハン教授 

映画「キューティ・ブロンド」

ロマコメ(ラブコメ)映画は、昔から割と好きでよく見ていました。
映画「キューティ・ブロンド」が公開された頃は、
日本でもロマコメの洋画がそれなりにスマッシュヒットしていたと記憶しています。

欧米で、ブロンド→バカ女、ブルネット→賢い女という偏見が、
未だに健在なのかは分かりませんが、
この物語はそのステレオタイプの考えに起因しています。

映画のリーズ・ウィザースプーン演じるエル・ウッズを見た時に、
上品で優等生的なブロンド女という感じがしました。
ブロンド女からイメージするビッチな感じが控えめなので、
物語のふり幅がどうかな?と思いましたが、
結果はその頃合いが女性に支持されヒットにつながります。

今回、神田沙也加のエル・ウッズを見て、
彼女の持つ清廉性がこの役にピッタリだと思いました。


キューティ・ブロンド (字幕版)

神田沙也加は才能をより磨いている

シアタークリエはそんなに大きくないので、どの席でも楽しめます。
今回はセンターブロックの前方という良席でした。

アンサンブルの歌う賑やかなナンバーで幕は上がります。
立ち上がりは、PAバランスなのか、アンサンブルの歌唱法なのか、
音がキンキンして歌詞が聴き取りにくい感じです。

しかし、神田沙也加演じるエル・ウッズが登場すると、
歌詞(セリフ)が素直に耳に飛び込んできました。

これは彼女の歌が上手いだけでなく、ミュージカル女優としての才能に、
より磨きをかけているからだと思います。
高音を歌う時に喉を絞りすぎず、自然なファルセットに繋がる歌唱法は
歌詞(セリフ)の聞こえ方が非常に良いです。

とにかく彼女の歌声が素晴らしい。
特に、私は彼女の声質が好きです。
これは若かりし頃、松田聖子さんの歌をよく聴いていたからかも知れませんが…。

コメディエンヌとしての神田沙也加

昨年、「1789バスティーユの恋人たち」(帝国劇場)で、
神田沙也加が演じるオランプを観ました。
マリー・アントワネットに仕える待女の気品ある雰囲気や、
運命の恋に翻弄される芯の強いヒロインも彼女に合っていました。

が、今回「キューティ・ブロンド」を観て、
エル・ウッズこそ神田沙也加の当たり役!だと思いました。

神田沙也加は優等生的な雰囲気を持っているからこそ、
コメディを演じるとその落差がより楽しめます。
彼女のコメディエンヌぶりが光る、
良い脚本に巡り合ったと思います。

そして、上でも言いましたが、
映画のリーズ・ウィザースプーンを超える清廉性。
バニーガール姿がエロくなくてキュートに見えることは、
この舞台では重要だと思います。

Bend and Snap

男性目線でもうひとつ話題を・・・、「かがんでおっぱい」です。
このシーンは、映画でも印象的なシーンでした。
なぜなら、映画はミュージカル映画じゃないのに、
このシーンだけは凄くミュージカルっぽかったからです。

Bend and Snapは、直訳すると「曲げて…伸ばす」ということですが、
映画では、「かがんでパッ!」と訳しています。
(※先ほどDVDで確認しました)
これは、翻訳演出の上田氏の手腕によるところが大きいとは思いますが、
「かがんでおっぱい」という翻訳は見事でした。

大勢で踊りながら合唱する「かがんでおっぱい」というパワーワード。
演出の妙もありますが、ここでもエロよりキュートな感じにまとまっていたのは、
神田座長のキャラクターによるところが大きいのだと思います。

さいごに

神田沙也加さんのことばかり書きましたが、
木村花代さんの身体能力の高さや、新田恵海さんの憎らしい演技など、
他のキャストの皆さんも適役で、とても楽しい舞台になっていました。

楽曲や舞台転換もテンポがあって良かったです。
再々演があったら、また観たいと思いますし、
観る人を選ばない気軽に観られる楽しいミュージカルだと思います。